軽量TPEとリサイクル材料の融合

材料の密度を下げ、サスティナビリティー・ファクターを強化：KRAIBURG TPE、リサイクル材の含有率を高めた軽量TPEを発表

特定のアプリケーションの環境において、従来の材料に匹敵する性能を持った軽量材料に対する業界のニーズは、近年飛躍的に高まっています。ここで中心的な役割を果たすのが、従来の熱可塑性エラストマー（TPE）からリサイクル材料を含有した軽量TPEへの代替えです。軽量TPEは、幅広い選択肢とユニークな材料パラメーターを提供します。

2024年10月15日、ヴァルトクライブルク発 - 2010年代後半、KRAIBURG TPE（クライブルクTPE）は、非常に軽量な用途に特化した熱可塑性エラストマーの生産を可能とする技術を開発しました。この技術は、3M™グラスバブルズの使用に基づくもので、材料全体の密度を著しく低くできるため、優れた弾力性と柔軟性の両方を特徴とするプラスチック代替部品の製造が可能になりました。2020年春に発売されたこの新開発の軽量TPEは、成功を収めました。その主な理由は、これらのコンパウンドが、自動車メーカーだけでなく、航空、電動工具、スポーツ・レジャー産業など、他の分野のメーカーが現在求めている効果的な軽量化ソリューションに幅広く対応したことです。

KRAIBURG TPEが軽量シリーズを拡充したことは、軽量建築分野向け材料の開発において、新たなマイルストーンとなるものです。新しく開発されたTHERMOLAST® R（サーモラスト® R）コンパウンドは、既存のシリーズとほぼ同じ材料特性を持ちつつ、これらの特性と10～60％のリサイクル材含有率を両立させています。このような軽量TPEの利点は、省資源化を実現するポストコンシューマ・リサイクル材の採用によって、更に強化されています。その結果、コンパウンドの製品カーボンフットプリント（PCF）が削減されることになり、多くの部品におけるプラスチック加工企業のサスティナビリティと気候変動に関する目標にプラスの影響を与えることが可能になります。

また、リサイクル材を使用した軽量TPEを使用することで、材料と部品の両方の重量を減らすことができます。これは、自動車の使用段階におけるエネルギー消費の削減にもつながる可能性があります。さらに、これらの材料で作られた部品はリサイクル可能であり、同じ用途や類似の用途に再利用することができます。「処方の面によって私たちが達成した形式的なメリットだけではなく、リサイクル材を含有した軽量TPEの加工は、サイクルタイムの短縮により、より多くの資源を実際に節約することが可能です。」と、KRAIBURG TPEのコンシューマー担当マーケットマネジャー、マリウス・カントクは説明します。「このことは、サスティナビリティの問題に関連して、熱可塑性エラストマーが未来の材料でもあることを改めて示しています」。

軽量TPEについて

2020年の発売以来、KRAIBURG TPEの軽量TPEは多くの自動車アプリケーションに採用されてきました。部品の軽量化という利点と共に、この製品は部品の歪みの低減、サイクルタイムの最適化、完全架橋EPDMに匹敵する優れた弾力性などの特筆すべき優れた材料特性を備えています。ルーフレールキャリア、マルチコンポーネントドアシール、トランクとボンネットの緩衝材、押し出しシーリングなどの分野で成功を収めたそのアプリケーションは、この未だ新しい技術のユニークな特性を裏付けるものであり、またKRAIBURG TPEが軽量化だけでなくサスティナビリティの概念をも広げることを後押ししています。

例えば、モビリティ分野や消費者産業の用途にリサイクル材を含有した軽量TPEを使用することで、それぞれの標準的なTPSと比べて約35パーセント、TPVと比べて30パーセント、PVCと比べて最大50パーセントの軽量化が可能になります。

KRAIBURG TPEの軽量エラストマーのその他の利点には、それぞれの製造工程における加工の容易さが挙げられます。つまり、あらゆる熱可塑性プラスチック製造ラインの射出成形や押出成形工程で、これらの材料は収縮や部品形状の歪みを抑制しながら使用することができるのです。この材料は、高い表面均質性と優れた圧縮永久歪みにより、優れた結果を実現します。リサイクル材を含有した軽量TPEは、その柔軟性、減衰性、表面品質、また装用時の快適さも特徴です。そのため、自動車分野、電動工具の部品、スキー用具やプロテクターなどの表面積が大きく軽量な部品など、幅広い用途に対応しています。

リサイクル材を含有した軽量TPEは、KRAIBURG TPEにより世界中で購入が可能です。