最終更新: 2025 年 10 月 16 日

極性熱可塑性プラスチックへの接着性を備えた、高脂肪食品接触用途のための新たなTPE


この新しいシリーズは、高脂肪含有食品との接触を想定して開発されており、また快適な触感と改善された官能適特性をも、その特徴としています。主な用途として、再利用可能な食品包装、化粧品用途、食品加工用のホースおよびコンベアベルトなどを想定しています。

 

環境問題とサスティナビリティに対する消費者の意識の高まりによって、多くの分野でリユース可能な製品への需要が堅実に増加しています。典型的な例としては、ランチボックス、ミキシングボウル、密封可能なボウルなどの食品容器が挙げられますが、これらの蓋の密封部分は、多くの場合熱可塑性エラストマーによって形成されています。

しかし、これらの完成品に適用する材料には、長期間にわたって生理的安全性を確保するための高い信頼性が求められます。こうした観点から、食品と直接接触するプラスチック製品に関する規制、即ちEU規則第10/2011号および米国食品医薬品局(FDA)の連邦規則集第21編(21 CFR §177.2600)では、材料から食品への成分の移行量について厳格な基準を定めています。さらに、KRAIBURG TPEは、両規制におけるコンパウンドの成分に関しての要求事項を満たしています。法的な成分の移行に関する限界値に適合するための前提条件は、このFC/CM3/AD1シリーズの新たな処方と、最終製品の設計における適切な配慮を組み合わせることです。

「当社は近年、このテーマに集中的に取り組んできましたが、食品接触用途における安全な使用を目的とした新しいTPSコンパウンドの開発に多大な投資を行ってきました。」と、KRAIBURG TPEの消費者市場マネージャー、Dirk Olberdingは述べています。「包括的な分析と移行挙動の研究を通じて、私たちは移行特性の正確な計算基準を決定し、それらを量産用TPSタイプの処方に反映させることに成功しました。」

Olberdingは、は、この点について、TPEコンパウンドは非常に多岐にわたる組み合わせが可能であることから、非常に複雑な移行挙動を示す可能性がある点を指摘しています。「したがって、理想的な解決策は、個々のシリーズにおけるTPEの処方を、予想される接触媒体(通常は肉、調理油、ドレッシング、ソースなどの高脂肪食品)に可能な限り正確に最適化することです。」「これを実現するため、材料の処方において2つの異なるアプローチを採用しました。一方では、個々の原料とその相互作用を詳細に検討し、その一方で、最終製品の用途における移行可能性にも着目して評価を行ないました。」

KRAIBURG TPEのこれらの新しい材料は、耐摩耗性を持つ表面品質と優れた機械的特性により、リユース可能な容器と蓋の耐用期間を大幅に延長します。トリタン(PCT-G)、PET、SAN、PC、ABS、PA6、PA12などの極性熱可塑性プラスチックへの接着性は、幅広くテストされ、良好な結果を収めています。ヒステリシス試験で証明された優れた復元性や、優れた破耐引き剥がし性や破断抵抗値は、化粧品や食品の包装用途にも最適なものとなっています。これらの新しい製品ラインは熱可塑性プラスチックとしての加工性に優れ、部品設計の自由度を大幅に向上させます。これらのコンパウンドは、KRAIBURG TPEのヴァルトクライブルク工場で製造されており、現在世界中で入手可能です。

上記の規制ガイドラインに準拠して、新開発のTHERMOLAST® Kシリーズ(FC/CM3/AD1)は、従来のTPSに比べて移行制御が大幅に改善されています。移行ポテンシャルが最小化されているため、高脂肪食品との直接接触を必要とするアプリケーションに特に適しています。
 

Disclaimer: The applications mentioned are illustrative of material capabilities only. Final product suitability and regulatory compliance must be assessed and validated by the customer.

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16.10.2025 広報用素材

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